山崎浩さんはエンデが好き!

山崎浩さんはミヒャエル・エンデの作品が好きです。
とはいっても、『モモ』『はてしない物語』(どちらも映画化してますね)など数作しか読んだことがないそうですが…。
宮沢賢治作品のマンガ家競作の企画から生まれた『山猫先生の“物語”』もエンデの『モモ』あたりの影響が色濃く見られます。『どきどき』に収録された『すばらしき我が人生』もその系統の作品なんじゃないでしょうか。本人はそう自覚がないようですが、この作品のアイデアが、のちに『山猫先生の“物語”』に発展したとぼくは睨んでいるんですけど。
エンデは晩年になるにつれ、(評論活動も多かったようですが)思想性がより前面に出てきます。どの作品も高く評価されていますが、初期のエンターテインメント性の高い作品群『ジム・ボタンの機関車大冒険』『ジム・ボタンと13人の海賊』『モモ』『はてしない物語』あたりは秀逸です。ぜひ、一読を!
本人の志向もあるんでしょうけど、作家は有名になるとエンターテインメントより思想性に重きを置く感があります。社会的にもっとエンターテインメントの部分も評価されるようになって欲しいものです。

余談ですが、ぼくとエンデの出会いは、小学2年生のとき、当時アニメ化され、原作とまったく違うものだった『ジム・ボタン』の雑誌記事。その印象が残る中、小学校3年のとき図書館で講談社版の単行本に引き込まれました。当時は4年に1度しか新作を発表せず、“彗星作家”と呼ばれていましたが、その後の活躍はハイペースで、残念ながら何年前になくなりましたが、日本でも全集が刊行されました。
そういえば『未来少年コナン』のインダストリアが沈んで、のこされ島が大陸になるのとか、ダイス船長が仲間になるのって、なんか『ジム・ボタン』の影響じゃないかなという気がしませんか。

エンデ全集〈1〉ジム・ボタンの機関車大旅行

エンデ全集〈1〉ジム・ボタンの機関車大旅行

ジム・ボタンの機関車大旅行 (ジム・ボタンの冒険 (1))

ジム・ボタンの機関車大旅行 (ジム・ボタンの冒険 (1))

エンデ全集〈2〉ジム・ボタンと13人の海賊

エンデ全集〈2〉ジム・ボタンと13人の海賊

モモ (岩波少年文庫(127))

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はてしない物語 (上) (岩波少年文庫 (501))

はてしない物語 (上) (岩波少年文庫 (501))

はてしない物語 (下) (岩波少年文庫 (502))

はてしない物語 (下) (岩波少年文庫 (502))

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)

エンデ全集〈5〉はてしない物語 (下)

エンデ全集〈5〉はてしない物語 (下)

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