山崎浩『ゲーム開発物語』解説01 ゲームの天才とゲーム開発物語

 1990年代後半のリクルートポケモンカードの成功を受けて、アニメ『ポケットモンスター』へ
の出資、当時の大株主ダイエーの関連会社ローソンでの任天堂ゲームソフト販売、カセット書き換えシ
ステム『ニンテンドウパワー』の導入、ゲームファンドマリーガルマネジメントの設立、ニンテンドウ
64DD事業でランドネットDDを共同で立ち上げるなど一躍任天堂陣営の有力なプレーヤーに躍り出た。
 ゲーム雑誌『じゅげむ』は大人向けの紙面を意識し、ゲームクリエーターにスポットを当てることが
多かった。
 看板企画であった『ゲームの天才』では、20人以上のクリエーターが登場しているが、任天堂とゆか
りの深いクリエーターは横井軍平宮本茂田尻智糸井重里の4名と意外に少ない。
 そのマンガ版といえるのが『ゲーム開発物語』。
「絶対ゲームボーイ読本」での『横井軍平物語』の好評を受けて連載された。
当然ラインナップも『ゲームの天才』に登場した人物が半数以上を占めている。
 シリーズを通して作者山崎浩の友人でもあった、元『ゲームウォーカー』編集者の勝見正克(現『コミッ
クREX』副編集長)が担当を務め、作中にも登場している。
『ゲーム開発物語』は好評だったが「じゅげむ」休刊の余波で連載終了。折からのゲーム不況でコミック化
も実現せず、今日に至っている。

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