山崎浩『猿人野郎の大冒険』のネーミングの理由

山崎浩

1作品で1冊つくるときは何も考えず、作品タイトルで本をつくります。
短編集を作るとき、表題作を決めて、それを本のタイトルにするやり方は一般的でしょうね。

シリーズタイトルがない場合でもシリーズタイトルを決めて、短編集のタイトルにしたり(集英社版『どきどき』)することもあります。
『和紋』三部作の場合は「和紋シリーズ」とつけるのが素直かもしれませんが、内容を説明する意味で「猫マンガ短編集」という形にしました。
一方、猿人野郎シリーズも迷ったんですよ。『猿人野郎の軌跡』をタイトルにすると、3作品入れてあるイメージにならないし、「猿人野郎シリーズ」とつけるのもなんかスマートじゃないし。
シャーロック・ホームズの帰還』とか『シャーロック・ホームズの冒険』みたいな、いかにもシリーズもの短編集っぽいタイトルがいいなー。
…と考えていて、結局『猿人野郎の大冒険』といういささか大げさなタイトルをつけました。
じつはこのタイトル、HIROSHIの考えたものではありません。
ワンダーワンダー版『どきどき』第1巻の「かくれ家」のなかで、マンガ雑誌のなかにあった架空マンガのタイトルをそのままいただいたわけです。
気づいていました? ひょっとして。
何はともあれ、単行本化された作品だけで、本を作るのはHIROSHIにとっていささか「冒険」です。
製本の都合と、読者サービスのために巻末にカラーイラスト集(未発表)を入れましたが、反響が心配。
単行本未収録作品の刊行を急ぐ反面、品切れ状態になっている作品もどうにかできないかという気持ちはあることはあるんです。
ただすでに持っているので、ニーズが少ないんじゃないかと心配な部分のほうが多いからやっていないんです。
最初はともかく、現在はやりたくないわけではありません。
ただ復刊ドットコムのリクエストを見てもあまり伸びていないので、やるのが怖いんですよね。

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