山崎浩「ゲーム開発物語」について

山崎浩

山崎浩さんは多彩なレパートリーを持っています。絵がうまいから、その面にだけ注目されがちだけど、しぐさに表情を込め物語を綴る力量の持ち主。一方で的確に取材し情報を作品に盛り込み、楽しく読ませるサービス精神を持ち合わせている。このふたつの能力を両立できる作家は案外少ない。ストーリーはうまくても、レポートがつまらない作家やその逆。手を抜かず、良い作品を仕上げているからこそ、一冊にまとめて読みたい。残念ながら掲載誌の休刊に当たって単行本にまとまることがありませんでした。その後のゲーム業界の不振もあり、機会を逸した感もあります。取り上げたクリエーターの転職や、ソフトの権利の移転、パブリシティの問題など、情勢の変化は急で商業出版には障害が多そうです。当時の担当編集者も出したがってはいますが…。

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