山崎浩作品はエッチか?

山崎浩

ある知人に言われたことがあります。
「『ふしぎふしぎ』は大好きだけど、『どきどき』はなにかエロチックなものを感じて嫌だ」
山崎さんにこういわれたことがあります。
「『ふしぎふしぎ』のぼくはほんのちょっとうそつきです!」
山崎さん流の照れ隠しであり、うそという意味ではないんだと思います。
『ふしぎふしぎ』の執筆にあたり、小学生の文集を参考にしたと聞きますが、取材をもとに美しいもの、きらめくものを描こうとしたこの作品は、ある意味、大人がこうあって欲しい理想の子供たちです。
大人は自分たちが子供のころのことを忘れ切って、子供が異性にどきどきしたり、出来心を持ったり、いたずらや冒険をすることを否定します。
『どきどき』におけるそうしたナチュラルな感覚の再現が読者の共感を呼ぶんじゃないでしょうか。
大人になりきっていないぼくには、その辺の気持ちをくすぐられるのが心地いいんです。
結局のところ、性的な描写があればエッチかどうかということ自体に大した意味はないと思うんです。
さて山崎マンガにおけるエッチな描写の件ですが、そうしたものを一切描かなくても、エッチな作品はありうるし、性的な描写があればエッチな作品というわけではない。
道徳の教育番組じゃないんだから、この時期の子供たちをひたすら無垢な天使に描く必要も感じません。そういう面も含めて、山崎浩作品の魅力を紹介したいから、ワンダーワンダーの活動を続けているつもりです。

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