山崎浩プロジェクトのオールカラー本

山崎浩

即売会向けの自主制作本を作る時間が十分にとれない場合、多くのサークルは前日あるいは当日にかけてコピー誌を作る場合があります。
ワンダーワンダーでも最初の本はコピー誌でした。
コピー誌の場合、諸経費の赤字覚悟で原価で頒布しても割高になりますし、部数を増やしてもあまりコストダウンになりません。おまけに保存性といえば…。
とはいっても、モノクロの場合はまだましです。
『ふしぎふしぎ』や『ふるさと』と同じ内容をオールカラー出力またはカラーコピーでやろうとすれば、軽く見積もって一冊につき、600円かかる計算になります。(ぼくの行動圏にKINKOSが新規オープンしたときには、つい半額割引に心が動かされて、カラープリントをと考えてしまいますが、保存性の面と本のつくり、あと、色は鮮やかでも原画のよさが伝わりづらい…などの理由からこれまでやっていません)
当初、カラー印刷の見積もりをしていたとき、最低ロットの1000部(減らせるんでしょうけど、その場合当然さらに一部あたりのコストが上がる)刷って頒価1000円がやっと(それも完売が前提)という試算で、3000部刷らないと現在の頒価の水準にはできない見込みでした。印刷代はともかく在庫の置き場所を考えると、当分できないなと思っていたんです。

ところが即売会のゴミの山(即売会に参加したサークルならわかるでしょうけど、ほとんどの即売会ではスペースに入場すると、大量のチラシが出迎えてくれるわけです)の中から、金沢印刷という会社のチラシが出てきました。

ぼくは東京在住なので直接入稿にいけない地方の印刷所はまったく想定していなかったのですが、カラーの価格表を見て思わず『嘘だろ!』とつぶやいてしまたとわけです。最低ロット500部からで、東京などの印刷所で1000部刷る一冊コストの半分以下…カラーの印刷のグレードが心配なので本当は一冊で終わる『どきどき』3巻のつもりでしたが…こりゃ、やってみるか。

(余談ですが、安いことを自慢していた知り合いの印刷屋に見積もりの参考に金沢印刷の価格表を見せたら、とても値段で太刀打ちできず、「そんなに安いなら、うちが頼みたいぐらいだ」なんて答えが返ってきて、口があんぐりでしたけど…)

こうして山崎浩プロジェクトのカラー本の発刊がスタートしました。
ほかの印刷所と違い納期2週間厳守といわれますが、実際に入稿すると数日で上がってくる上に、印刷も美しい。安い、早い、うまいと三拍子そろっています。
お世辞抜きに金沢印刷さんなしではこのカラー出版は成立しません。
春のコミティア初売り予定だった新刊2冊が、レヴォファイナルに間に合わすことができました。
今回もすんでのところで『ふしぎふしぎ』3巻はコミティアが初売りになりそうでした(発行日は8月28日)が、“夏祭り”のほうもなんとか間に合いそうです。(ぼくの仕事の都合でまだ予断を許しませんが…)

おそらくコミティアで先着配布になると思いますが、『スーの世界』のポストカードを少部数製作しました。(ワンダーワンダーとしての新刊はないのに2周年記念ということで感謝を込めて!)

とりあえず、本日送られてくる新刊の検品をやらねば!

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