山崎浩作『どきどき』のバージョン表記の意味…

山崎浩

仮に“アダルトバージョン”なんてものがあったら、R18…対象年齢指定のものになりますが、ボーイズもガールズも読者対象を意味しているわけではありません。
(一般にボーイズは○女子が読むものといわれています…笑)
実はコミックマーケットにいらっしゃったかたで、1巻と3巻をご希望のかたがいたので、聞いてみたら「ガールズは読者対象が女性だと思っていた…」とのこと。
まずい! 男性読者95%以上(推定)の山崎浩自主制作本で、最初に出したとき(1・2巻同時刊行)にも1巻のほうが人気だった(山崎さんは「2巻のほうが人気が出るから、2巻を多めに刷るべきだ」と思っていたようですが…)のも、それが理由かな…。
今からでも遅くない。第2巻は少女向けということでなく、少女が出てくるお話を集めたものです。
そもそも山崎さんと『スーの世界』をいつか単行本にしたいという茶飲み話が、黒幕K島係長(当時は平)の山崎さんの単行本未収録作品をすべて手に入れたいという欲望で方向がいつの間にか変わって、“山猫”のコピー誌を出した後、オフセットで出すのにはということで、HIROSHIが検討を始めたのがワンダーワンダーの始まりでした。
オールカラーの『ふしぎふしぎ』や『どきどき』は当時は自主制作は難しく、そのうちウェブでやろうと考えていて、「ビジネスジャンプ」系の単行本未収録作品が手ごろだと考えたわけです。
『どきどき』として発表されたのが、モノクロ4本、カラー4本、あとは連載終了後に描いた短編2本。
できれば原画に近いサイズで出したかったのですが、全部1冊にまとめると本文116ページでぶあついし、よくよく考えたら、男の子主人公の話が5本、女の子主人公の話が5本でした。最初は「山崎さんから『Kiss』と『夏の想い出』は『どきどき』じゃないよ」といわれたのですが、単行本第1巻の作品は『どきどき』として発表されたものは1本もなかったわけですから…。
カラー4本はモノクロでの収録は避けようと思って、最初は見送り、現在の構成にしたわけです。結局、今回の収録まで2年9か月もかかっちゃいましたが…。
そういえば、第3巻をウィンターバージョンにしなかったのは、夏の発刊だし、季節ものと誤解されたくなかったから、カラーバージョンにしたんですけどね。
これも事情があって少し後悔しています。

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